中国の主要PCR樹脂ソース
PCR樹脂とは
PCR樹脂はポストコンシューマーリサイクル（Post-Consumer Recycled）樹脂の略で、消費者によって使用された製品から回収されたプラスチックを再利用して作られます。これにより、新たなプラスチックの使用を減らし、環境負荷を軽減することができます。以下に、主なPCR樹脂の種類とそのソース由来について説明します。
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1 . PCRPP 樹脂（Post-Consumer Recycled Polypropylene）
1) 家庭用品: 食品容器（ヨーグルトカップ、マーガリン容器など）、洗剤ボトル、シャンプーボトルなど。
2) パッケージ: プラスチック製の包装材、袋、ラッピングフィルムなど。
3)飲料容器: プラスチック製のキャップやボトル。
4)産業用製品: 工業用の部品やパレット。
5)その他の消費財: 文房具（ペン、ファイル）、おもちゃ、家具など。
6) 船の係留ロープ（PP材）から回収されたPCRソース
PPのリサイクル樹脂ソースはかなり豊富ですが、
質が良いPCRPP（例：FDAを取れるPCRPP、異物が少ない、色目が綺麗）のソースはそれほど豊富だといえません。
PCR100％PP ソース由来：
ペットボトルの蓋
（MFR：5）
PCR100％PP ソース由来：透明弁当ケース
メーカーによるが、PCRPPのFDAを取れるメーカーもある
船の係留ロープ（PP材）から回収されたPCRソース
2. ポリエチレンテレフタレート (PCRPET)
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ソース由来: 飲料ボトル、食品容器
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特徴: 高い透明度、優れたバリア性
中国ではPCRPETのソースはかなり豊富で「IV粘度 0.55～0.58 PCR95％のPET」、
「IV粘度 0.60～0.62 PCR100％のPET」などのラインナップグレードがございます。
（ソース由来：PETボトル本体）
さらにPETボトルの蓋（PP材）も回収され、色ごとに分けられ、PCR100％のPPもございます。（ボトル蓋がソース由来）
ポイント：IV粘度0.8以上のPCRPETを日本へ輸出するなら、日本税関へアンチダンピング税（税率39.8％～53％）
（日本経済産業省サイトから）
ある中国のPCRPETメーカー 回収ボトル在庫（写真）
PCR100％のPP ( MFR 5 )
（ボトル蓋がソース由来）
3. ポリカーボネート（PCRPC）
・透明品ソース由来 水ボトル、カーボート、ヘッドランプ、板材など
ディスク由来のPCは中国にあまりないです（DVDが中国に流行っていないため）
・不透明品ソース由来 透明品よりさらに豊富でございます
代表的なPCRPC（透明）
・MFR 18～20 PCR100％PC ソース：車載ヘッドランプ
・MFR 10～12 PCR100％PC ソース：板材
・MFR 6～8 PCR100％PC ソース：水ボトル
さらにPCABSのPCR材も中国にございます。
黒材のPCRPCソース
4.（ポリスチレン）PCRPS樹脂
PCRPS樹脂の主なソース由来は以下の通りです：
・食品容器：使用済みのヨーグルトカップ、弁当箱、スナックトレイなど
・発泡スチロール製品：梱包材、食器、冷蔵庫の断熱材
・使い捨て食器：プラスチック製のフォーク、スプーン、ナイフ、カップ・
・CDケース：廃棄されたCDやDVDのケース
しかしプラスチック製のフォーク、スプーン、ナイフなどは現在中国では生分解樹脂が
主流になりつつあり、今後PCRソースに回る数量が少なくなるだろうと予測しております。
ヨーグルトカップ 粉砕品
HIPS PCR98% ペレット白色
ソース由来（ヨーグルトカップ）
5.（Acrylonitrile Butadiene Styrene）PCRABS樹脂
PCRABS樹脂の原料は、主に以下のようなソースから得られます。
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廃家電製品：
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テレビ、冷蔵庫、洗濯機など、家庭で使用される家電製品から回収されたプラスチックが主なソースです。
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これらの製品は使用後にリサイクル施設に送られ、適切に分別されて再利用されます。
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電子機器：
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コンピューター、携帯電話、タブレットなどの電子機器も重要なソースです。
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これらの製品には高品質なABS樹脂が多く含まれており、リサイクルによって再び使用されます。
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自動車部品：
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自動車の内装部品やバンパーなど、耐久性が求められる部分にもABS樹脂が使用されています。
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廃車後にこれらの部品を回収し、リサイクルプロセスを経てPCRABS樹脂として再利用されます。
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上記の中に異物が比較的に少ない「白色」、「ナチュラル色」のソースがとても貴重です。
（例：回収されたエアコンの全面板、ABS板材、ABS管材）
回収されたABSの丸管材
「高衝撃」「ナチュラル色」が特徴
回収されたABSの板材
PCR100% 非強化ABSペレット
6. PCRPA6，PCRPA66 樹脂
PCRPA6，PCRPA66 樹脂は、主に以下のようなソースから得られます。
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廃車のエアパックから回収されたPA66のPCRソース（シリコン物質が少し含まれている）
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結束バンド由来のPA66のPCRソース
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漁網由来のPA６PCRソース
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繊維類のPA6ソース、布類のPA6ソース（一部はPIR）
廃棄された車載エアパック由来のPA66のPCRソース
廃棄された車載エアパックの在庫写真
結束バンド由来のPCRPA66ソース
繊維類のPA6ソース、布類のPA6ソース（一部はPIR）
漁網由来のPCRのPA66ソース
7. PCR（Post-Consumer Recycled）or PIR（Post-Industrial Recycled） PBT（ポリブチレンテレフタレート）樹脂
PBT樹脂用途のアイテム製品は通常GF繊維と混ぜながら、しかも黒色タイプが多いです。
従って非強化のナチュラルPBT樹脂ソースは極めて貴重であり、なかなか見つけにくいです。
当サイトをサポートしてくれる中国のメーカーさんが最近繊維状態のPBTナチュラル樹脂ソースを中国で
見つけられました（PCRとPIR両方ある）、また中国では一部のカラーコンのケース材が抗菌剤入りのPBT樹脂であることが分かり、当サイトをサポートしてくれる中国のメーカーがすでに50t～60tの粉砕品を確保しました
7. PCR（Post-Consumer Recycled）POM（ポリオキシメチレン）樹脂
雑色PCR POM
ソース由来：プリント基板用ドリルビット（針）枠
現段階確保している数量 150t./月程度
POMの黒色で納入するか、雑色を粉砕してリペレットするとグレー色となり、その色で納入するか お客様側の選定に任せます
電路板（プリント基板）に穴を開ける際に、このPOM樹脂を金属製の針に被せて使用しています。穴あけ作業では、針がPOM樹脂の部分にねじ込まれると機械が停止し、
ちょうど穴が開け終わったことになります。そうしないと、針が折れてしまうからです。
通常、この製品は1～2日で廃棄されます。針とPOM樹脂が一体となった状態で機械から出てきて、それを機械で分離し、金属針とPOMを取り出します。そのPOM樹脂が私たちに販売されるのです。
POMの色は機種ごとに異なる理由として、電路板のモデルを識別するためです。
