
PCR樹脂に関する各証明書のご紹介
PCR樹脂に関わる各種類の証明書
PCR(Post-Consumer Recycled)樹脂に関して求められる各種証明書・認証は、用途や取引先の要求、規制対応に応じて多岐にわたります。以下に代表的な証明書・書類を体系的にご紹介します。

UL機関が発行しているULE認証
「ULE」とは正式には UL Environment による認証の略で、特に再生材や環境対応製品に関する環境主張(Environmental Claim)を第三者機関であるULが検証・認証する制度です。
代表的なULE認証項目(PCR樹脂に関係するもの)
①:Recycled Content Validation 「PCR◯%含有」などの再生材含有率の検証(主にPCR)
②:Recyclability Validation 製品がリサイクル可能であるかの検証
③:Biobased Content Validation バイオ由来樹脂のバイオ成分割合の検証(PCRとは別)
PCR樹脂のULE認証(Recycled Content Validation)
対象となる主張例:① 「このPC樹脂には再生プラスチックが**70%**含まれています」
② 「本製品のパッケージは**Post-Consumer Resin(PCR)100%**でできています」
審査の内容:① 原料由来の書類確認(PCRの購入先、ロット履歴など)
② 工程確認(混合比率の記録、ブレンディング設備など)
③ 物性証明、COA、SDSなどの技術書類確認
④ オンサイト監査(UL職員による現地工場審査)
認証取得後に得られるもの:① UL認証マーク(Recycled Content) ULが認めた再生材比率を明示できるロゴ(例:UL-2809)
② UL SPOT登録 グローバルな環境製品データベース(UL SPOT)に掲載される
③ 英文認証証明書 製品グレードごとの再生材含有率や製造者名などを明記した書面

当サイトをサポートしてくれる乐昌市沃府新材料有限公司のPCR50%ABSのULE証明書 (Lechang WoFu New Materials Co., Ltd)
ご参考としての例
PCR樹脂のトレーサビリティ証明
PCR樹脂のトレーサビリティ証明(Traceability Certification)は、リサイクル樹脂が「正しく収集・処理され、適切なルートで製造されたこと」を証明するための文書や仕組みです。主に以下のような目的や構成要素があります
【目的】
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出所の信頼性確認
→ ポストコンシューマー由来であること(家庭・業務廃棄物など)を証明 -
リサイクルプロセスの透明性
→ 収集~選別~洗浄~再生~出荷までの流れを明確に -
ブランドオーナーやOEMからの要請対応
→ 環境配慮・サステナビリティ報告での証明資料として使用 -
各種認証制度への対応
→ GRS、UL ECV、OBP、ISO 14021 など
【トレーサビリティ証明の主な構成内容】
【代表的なトレーサビリティ証明の形式】
1) Excel形式やPDFによる「ロットトレース一覧表」
2) 英文と中文(日文)の「原料由来・加工証明書」
3) 第三者機関発行の監査報告(GRS監査報告など)
4) 社内品質管理報告(オンライン監視データなど)

当サイトをサポートしてくれる广州市锐胜塑料有限公司のTC証明書を掲載
(Guangzhou RuishengPlastic co., Ltd)
ご参考としての例

OBP(Ocean Bound Plastic)プラスチックに関する証明書
TÜV Rheinland(テュフ ラインランド)が発行するOBP(Ocean Bound Plastic)プラスチックに関する証明書は、廃プラスチックが海洋に流出する前に収集・再生されたことを第三者的に検証・証明するものです。
OBP認証の概要(TÜV Rheinland)

証明書に含まれる情報(例)
OBP認証の概要(TÜV Rheinland)
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認証番号
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発行日・有効期限
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回収地域・再生プロセスの説明
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トレーサビリティに関する記述
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材料の重量比(OBP含有率など)
よくある認証の種類(TÜVによるOBP証明
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OBP Collection Organization Certification
→ 回収会社向け -
OBP Recycling Organization Certification
→ 再生加工業者向け -
OBP Product Certification
→ OBP由来プラスチックを使用した最終製品向け
